タニグチコウヨウ.blog

しょーもない一瞬一瞬を切り取っていきたい。

星野源『働く男』

僕はふらっと本屋さんに立ち寄ることが多い。
 
年末のある日のこと、僕は横浜そごうの紀伊国屋にいた。
 
真っ先に向かったのはマンガの棚。MAJOR2ndをはじめ、買って読みたいマンガは数えきれない。
 
が、ここで景気良く大人買いできるほど、僕の懐は温まってはいない。
 
今日はもう帰ろう、そう思った時だった。
 
横にいた、おそらく20代後半同士のカップルの眼鏡の男性が
 
さっき星野源の働く男もあっちにあったよ、星野源って面白いよねーと
 
女性に向かって言ったのを耳にした。
 
僕は、はあ?てめー星野源分かった気になってんじゃねーぞ(自分もたいして知らない)と思ったが、
 
タイトルだけは聞いたことのあったその本の売り場に行き、
 
勝手に運命を感じ、レジに向かったのである。
 
 
 
この本は、まだ無名の頃の星野源の作品集と自伝のようなもの。
 
文筆家、俳優、音楽家の3つの顔を持つのが星野源である。
 
しかし、彼自身は職業は何でもいい、肩書に縛られずにやりたいことをやるという考えを持っていて
 
その点は巻末に対談しているピースの又吉直樹とは意気投合しているようだし、以前厚切りジェイソンも同じようなことを言っていた。
 
そんないくつかの顔を持つ彼は、今でこそテレビの人気者、しかし最初っからそうだったわけではない。
 
中学生のころから演劇と音楽に取り組んできた彼も、
 
22歳で1stアルバムと初舞台(仕事として?)、
 
29歳で雑誌ポパイに自ら営業して勝ち取った映画ページの執筆。
 
決して、何もかも最初からうまくいって、いろんな顔で仕事ができるようになったわけではない。
 
これを読んで星野源すげーーー!ってだけでなく、
 
自分のやりたいことを仕事にしていく姿勢を大いに参考にしたいと思った。
 
僕が好きなのは、書くことについて記した18,19ページ。
 
"きっかけはただの憧れです。文章がうまい人に憧れていました。
ペン一本で、壮大な物語を創り出したり、
ペン一本で、腹がよじれるくらい爆笑できるエッセイを書いたり、
そういう人たちにずっと憧れていました。
だったらやるしかないと。
「星野くんに文章の才能はないと思うよ」
といろんな人に言われましたが、そんなの関係ねえと奮い立ち、
誰にも見せないエッセイや、小説を書きまくりました。
(中略)
いつか、才能のないものが、面白いものを創り出せたら、
そうなったら、才能のない、俺の勝ちだ。"
 
僕だって才能もなければ、まだキャリアもない。
 
あるのは若さとガッツだけだ。
 
文章を書くことを仕事にするのは、そう簡単ではないだろう。
 
でも、最初からすべてうまくいくなんてありえないこと。
今は修行あるのみ。
 
星野源ありがとう。それから、紀伊国屋で出会った眼鏡の男性もありがとう。
この先苦しいときは、星野源のこの文章に戻ってきます。
 
いつかこういう人に勇気を与え続ける文章を書きたい。
 
8

 

働く男 (文春文庫)

働く男 (文春文庫)